エキス製剤と煎じ薬を比較した表です。
詳しくは、各項目をクリックしてください。
エキス製剤 | 煎じ薬 | |
①効果 | 弱い | 強い |
②1回分の重さ | 2.5g(ツムラ社) | 80g |
③賞味期限 | 3年(ツムラ社) | 常温で2か月 |
④処方の種類 | 約150種類 | 無限大 |
⑤副作用が出た時の対処 | 処方変更。種類は多くないので、変更できる薬剤がない場合もある。 | 副作用を出した生薬(薬用植物)のみ除去して煎じることが可能。 |
⑥費用 | 通常の保険診療の料金 | 通常の保険診療の料金+煎じ代行手数料(300円/日)+配送料 |
①効果
エキス製剤
製薬会社の工場で、煎じ→遠心分離でろ過→濃縮→乾燥→賦形剤と混合、という製造過程を経て作られます。その過程で、一部の有用成分が失われてしまうため、効力が弱くなるのが欠点となります。
煎じ薬
30分ほど煎じてのち、時をあけずに飲むことで、有用な成分を大きく壊すことなく、体内に摂取できます。昔ながらの本格的な漢方薬で、効果が非常に高い飲み方です。
②1回分の重さ
エキス製剤
1回分が2.5g(ツムラ社)と軽いため携帯性は高いです。旅行やお仕事先などはこちらがよいでしょう。
煎じ薬
1回分は約80mlあるため、携帯性ではエキス製剤に劣ります。
③賞味期限
エキス製剤
ツムラ社の場合は、製造後3年。
煎じ薬
冷蔵庫で2か月保存可能。冷凍庫は解凍時に沈殿物が析出し品質が落ちるため、おすすめしておりません。服薬を忘れがちで、処方のお薬を余らせてしまう方、冷蔵庫に入りきらない方は、エキス製剤が良いでしょう。大事なことをお読みください。
④処方の種類
エキス製剤
保険診療で取り扱っているのは、約150種類。
煎じ薬
無限大。生薬(薬用植物)の組み合わせで何通りも作ることができる。患者様に合わせた処方が見つかる可能性が広がります。
⑤副作用が出た時の対処
エキス製剤
すでに出来上がった製品なので、副作用が出た場合は他剤に変更するしかありません。変更したくても、総数(約150種類)が限られているので、適した代替薬が見つからない可能性があります。
煎じ薬
副作用のもととなる生薬(薬用植物)のみ除去して煎じればよいので、その処方を継続したい場合に有用な方法となります。逆に、漢方薬が有効であった場合、効き目の高い生薬(薬用植物)のみ増量して、煎じ薬を作成することも可能であり、効率的な治療が可能となります。